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AI時代の新しいエンジニアの形 - モンスターラボにおけるフルサイクルエンジニアとは

2025/10/07

はじめに

株式会社モンスターラボは、AI & デジタルパートナーとして企業のデジタル変革を支援する新たなステージに進化しています。

その取り組みをTech領域から推進する存在として、私たちはフルサイクルエンジニアチームを立ち上げ、その新しいチームの一員として活躍していただけるメンバーの募集を開始しました。

この記事では、モンスターラボにおけるフルサイクルエンジニアの役割、働き方、求める人物像について、モンスターラボのフルサイクルエンジニアチーム 初代エンジニアリングマネージャーの立場から紹介します。

モンスターラボのAI & デジタルパートナー戦略

AIを活用したデジタル変革のリーディングカンパニーへ

私たちモンスターラボは、2025年度第2四半期の決算発表において、AI駆動開発を起点に戦略及び組織を再設計し、AIネイティブな開発パートナーへの基盤整備を行っていることを発表しました。

この変革の中心となるのが、以下の3つの柱です:

  1. AI駆動開発 - 開発プロセスのあらゆる領域でAIを活用し、高品質化と高生産性を実現
  2. AIのプロダクトへの組み込み - 当社が開発するシステムにAIを機能として実装し、高度化したソリューションを提供
  3. AIによる業務改革支援 - クライアントの業務をAIを活用して改革し、生産性や付加価値向上を実現

私たちが立ち上げたフルサイクルチームは、この戦略を技術面から推進するとともに、AI時代の新しいエンジニアリングの形を模索し、実践する役割を担っています。

なぜ今、フルサイクルエンジニアなのか

「フルサイクルエンジニア」という言葉に馴染みのない方もいらっしゃるかもしれません。これは元々、Netflixが提唱したエンジニアロールの概念で、ソフトウェア開発の全工程に関わり、プロダクトのライフサイクル全体に責任を持つエンジニアのことを指します。

FullCycleEnginner 出典: Full Cycle Developers at Netflix — Operate What You Build

私は当初、フルサイクルエンジニアという概念は、開発者リソースが限られたスタートアップか、Netflixのようなスーパーエンジニアが在籍するビッグテックでしか実現できないものだと考えていました。なぜなら、設計からデプロイ、運用まで、全般的な知識と実行スキルが必要になるからです。

しかし、生成AIの急速な進化により、状況は大きく変わりました。

生成AIがもたらす変革

Findyの最新調査によると、生成AIの登場以降、フルスタックエンジニアの採用枠が顕著に増加しています。これは単なるトレンドではなく、エンジニアリングの本質的な変化を示しています。

エンジニア調査レポート 2025年9月版

生成AIは、エンジニア個人の能力を大幅に拡張します。これまで専門知識が必要だった領域でも、AIのサポートにより、一人のエンジニアがより広範囲の技術領域をカバーできるようになりました。

モンスターラボでは、この変化の先にあるビジョンとして、フルスタックであることにとどまらず フルサイクルエンジニアがソフトウェア開発の新しいスタンダードになる と考えています。

今回のフルサイクルエンジニアチームの立ち上げは、そのビジョンを見据えた第一歩です。

モンスターラボが描くフルサイクルエンジニア像

私たちが求めるフルサイクルエンジニアは、単に複数の技術を扱えるジェネラリストではありません。

核となる価値観

  1. プロジェクト全体への責任感

    • 要件定義から運用まで、プロジェクトのライフサイクル全体に当事者意識を持つ
    • 品質、納期、顧客満足度すべてに責任を持つ
  2. 専門性とAI活用のハイブリッド

    • 自身の強みとなる主軸の専門領域を持ちながら、他の領域ではAIを効果的に活用
    • バックエンド、フロントエンド、インフラ、QAなど、主軸は何でも構わない
  3. 技術的意思決定力

    • 開発プロセス、アーキテクチャ設計、コードレビューを通じてプロジェクトの成功に貢献できる
    • プロジェクトの技術選定について、最適な意思決定ができる

フルサイクルエンジニアの活動領域

以下の図は、フルサイクルエンジニアが関与する主な活動領域を示しています。 元々は、このブログの モンスターラボの環境でTechLeadとして働くこと でTech Leadの役割を紹介した図をベースにしていますが、フルサイクルエンジニアはさらに広範囲にわたります。

FullCycleRole in Monstarlab

また、現時点でフルサイクルチームのメンバーがこれだけの領域をカバーしているわけではありません。 この図は、あくまで今後のビジョンです。 フルサイクルチームは現在これだけの領域を補佐できる AIを育て、開発プロセスを整備することになります。チームのミッションは、この図の実現のため、モンスターラボの現在の情報を踏まえて、会社組織をこの図に近づけることです。

チームの現在とビジョン

私たちのフルサイクルエンジニアチームは、まだ立ち上がったばかりです。正直なところ、ビジョンが先行し、役割の実態や具体的なプロセスはまだ完全には確立されていません。

先にも述べた通り、現在はフルサイクルエンジニアをAIがサポートできるように、AI強化と開発プロセスの整備に注力しています。

「Turn Vision into Reality」 の精神で、私たちは新しいエンジニアリングの形を一緒に創造していく仲間を求めています。

求める人材像

必須スキル・スタンス

  • 生成AIツール(GitHub Copilot、ChatGPT、Claude等)の活用経験
  • 新しい技術や手法を積極的に学ぶ意欲
  • 「できない理由」より「どうすればできるか」を考える
  • 技術的な挑戦を楽しめる
  • 自分の経験、スキルを言語化できる
  • 「Turn Vision into Reality」 の精神

キャリアパス

フルサイクルエンジニアは立ち上がったばかりですが、その後のキャリアパスは以下のようなものが考えられるのではないかと思っています:

  1. Technical Expert: 特定領域を極めながら、フルサイクルの視点を持つスペシャリスト
  2. Tech Lead: プロジェクトの技術的意思決定を主導
  3. Engineering Manager: チームマネジメントと技術的リーダーシップを両立
  4. Project Manager: Tech領域に限らず、プロジェクト全体を統括

最後に

フルサイクルエンジニアという新しい働き方は、まだ発展途上です。しかし、生成AIという強力なパートナーを得た今、一人のエンジニアができることの可能性は大きく広がっています。

フルサイクルエンジニアとして、AI時代の新しいエンジニアリングを一緒に創造したい方は、ぜひご応募ください。

モンスターラボで、エンジニアリングの新しい未来を一緒に創りませんか? 皆様のご応募を心よりお待ちしております。

fullcycleai-driven-developmentaiddcareer

Author

Kiyotaka Kunihira

Kiyotaka Kunihira

バックエンド/テックリード/スクラムマスター/エンジニアリングマネージャー

新卒でスマートフォン向け乙女ゲーム開発をしつつAWS, Scalaに触れ Scala忍者に。その後、スタートアップを2社経験して、2019年にモンスターラボに入社。 大阪オフィスに所属している2児の父。 去年、認定スクラムマスター資格取得しました。 最近は、エンジニアリングマネージャーとして中間管理職しています。

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